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■ 監査法人の世界は非公開

最近では新聞の記事で1面を飾るようになり、少しずつ世間からの関心が高くなった会計事務所の業界。
ただ、まだまだ知られていないことが多い。
仕事の内容よりも、批判的な記事が多いので、あまり良いイメージもないようだ。

簡単に仕組みを説明したい。
その上で、IPO(上場)の準備段階での付き合い方を考えるべきだろう。
会計業界の資格には、公認会計士と税理士の2つがある。
ところが、この2つの仕事の違いは、会計業界以外の人はほとんど説明できない。

さらに、監査法人と税理士法人という組織もあるが、この違いとなると会計業界の人でも知らない人がいる。

公認会計士の仕事は、会社が作成する決算書をチェックすること。
例えば、新聞で「○○銀行の今年の利益は1,000億円」と発表される。
この利益によって、株価も変わるし、顧客からの信頼も増える。
1,000万円までしか保証されない現在、誰でも赤字の銀行よりも黒字の銀行にお金を預けたいと思うはずだ。

ここで、この1,000億円の利益は、銀行の財務部(経理部)が計算する。
ただ、単純な入力ミスで利益が増えていることもあるかもしれない。
もしかしたら、故意に利益を増やしているかもしれない。
銀行が自分でやったことを自分でチェックするのは無理だろう。

そこで、第三者である公認会計士が、それをチェックする。
ただ、取引先も株主も多くない、すべての未公開会社がチェックを受ける重要性はないし、無駄な経費もかかる。
そこで、会社法では資本金が5億円以上又は負債が200億円以上の株式会社に、金融商品取引法(証券取引法)では上場会社に、公認会計士のチェックが強制されている。
さらに、証券取引所では、上場する前の最低2期間(取引所によっては最低1期間)は公認会計士の監査が必要という制度にした。
投資家は過去の利益も判断の材料とするし、IPO(上場)の直前で利益を正確に計算できない会社は、その後が心配だ。

このように考えてくると、公認会計士の顧客である会社は規模が大きい。
そこで、公認会計士が5人以上集まれば、監査法人という会社を作ることができる制度を作った。
監査法人は会社組織と同じで、社長が5人以上いて、その下に部長・課長を作る。
日本だけで3,000人もいる監査法人もある。

一方、税理士の仕事は、会社が作成する決算書をもとに税金の計算をすること。
最終的に、これを決算書に反映させて完成する。
つまり、税理士は決算書を作る側なのだ。
それを公認会計士が監査する。

ここで、税理士が税金の計算をすることは、法律で強制されているわけではない。
個人であれば、自分で確定申告書を作成していることが多い。
会社であっても自分で税金の計算をして、税務署に提出している場合もある。
ただ、税金の計算が間違っていたら後から延滞税がかかったり、上場会社であれば新聞に出てしまう。
会社が作成しなければならない税金の申告書は素人には、ちょっと難しすぎる。
自分の会社で税理士を雇う以外は、税理士に依頼するのが普通だろう。

最近では、連結納税制度という法律が作られたり、上場する会社も増えた。
そのため、税理士も相手にする会社が大きくなってきた。
そこで、税理士が2人以上集まると、税理士法人を作る制度が作られた。
税理士法人も株式会社のように組織を作って活動している。

これで、基本的な会計事務所の世界が理解できたと思う。
では、IPO(上場)するときには、どのような会計士や税理士と付き合えばよいのだろうか。
結論を言えば、公認会計士や税理士ではなく、監査法人と税理士法人と付き合うべきだろう。
そして、同じ顧問料を支払うのであれば、できるだけ質問することだ。

IPO(上場)するときに、決算書が間違っていたら話にならない。
組織的にチェックができる会計事務所に頼むべきだ。
しかも、金融商品取引法(証券取引法)の改正、会社法の改正、税制改正にも対応しなければいけない。
「担当者が間違えました」では済まされない。
IPO(上場)に向けて、自分の会社が大きくなったら、付き合う会計事務所も変えていこう。

(監修 公認会計士 青木寿幸)

投稿又は更新日時:2007年03月11日 12:29


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