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■ 税金を余計に払ってまで、資本金を1億円超にすべきか考えよう

IPO(上場)を目指すと、資本金が一気に大きくなる。
事業を急激に拡大するためには、お金が必要となるからだ。
銀行からお金を借りるためにも、自己資本比率も重要な基準になる。
そのため、資本金を増やさざる得ない。

もともと、資本主義とは経営が上手い人がお金を集めて事業を行い、その利益を投資家に分配する制度。
その中で最も有名な制度が、株式会社。
この会社の資本金が大きいと言うことは、お金をたくさん集めた証拠。
資本金の金額を法務局にも登記するため、誰でもインターネットで閲覧できる。

もちろん、集めたお金は事業に投資する。
使わないで、寝かせておく会社はない。
そして、事業が拡大していくと、取引先、金融機関、株主など、関係者の数も一気に多くなる。
すると、社会的な責任が重くなったと考えられて、いろいろな法律で縛られることになる。取り扱いが変わってくる。

まずは、すぐに思いつくのが会社法。
資本金5億円以上(又は負債200億円以上)の会社は、会計監査人が必要となる。
簡単に言えば、毎年作成している決算書を公認会計士又は監査法人に監査してもらい、問題ないという証明書をもらわなくてはいけない。
これは強制的に必要になる。
もし、証明書がないと、会社法違反になる。
法律違反するとIPO(上場)はできなくなるのは当たり前だが、銀行からも、お金を借りることが難しくなる。

重要なことは、一度でも法律違反した会社の会計監査人になる公認会計士又は監査法人はない。
一度でも法律違反すると、その後、ずっと違反したままになってしまう。

そのため、資本金が5億円を超える前に、絶対に公認会計士と協議することが必要だろう。
5億円を超えてから公認会計士に依頼したが、みんなから断られると、困ってしまう。
断られる理由は、いろいろあるが、

 〆までの会計処理がいい加減すぎる
◆\婆劃敢困能轍短酸任鮗けたことがある
 赤字が続いていて、債務超過になる可能性がある
ぁ^様蠅垢覺萄妻鷭靴安すぎて、引き受けてもらえない
ァ‘探権の侵害など、裁判で争っている案件がある
Α〃荵算期が3月末で、業界的に忙しい時期に重なっている

などが考えられる。
ただし、資本金5億円は金額が大きいため、それほど関係する未公開会社は少ないだろう。

次に、関係するのが金融商品取引法(現在は証券取引法)。
1度に1億円以上のお金を集めるときには、有価証券通知書が必要となる。
ここでは、資本金の総額ではなく、一度に集める金額が重要となる。
なお、公募(過去6ヶ月で50名以上を募集)でなければ通算はない。
これに関しては、別の箇所で説明する。

最後に、税法。
税法は、消費税、法人税、地方税の3つがある。

消費税は期首において資本金が1,000万円以上の会社に強制的にかかる。
そのため、期中で1,000万円になった会社は次の期からになる。
ただ、IPO(上場)を目指す会社であれば、売上が1,000万円以上という基準にすでにかかっているはずだ。
そのため、資本金で消費税が変わる場合は少ないだろう。

最も影響が大きいのが法人税法。
法人税では、資本金が1億円超の会社を大会社と考える。(「超」なので間違えないように)
簡単に言えば、中小企業であれば経費になるだろうと考えているものが、ならない。
例えば、交際費の400万円(このうち90%)の経費への算入も1円もなくなる。
つまり、すべての交際費が損金にならずに、税金がかかる。
取引先の接待を行い、10万円を使ったとする。
決算では、それに4万円の税金がかかる。
つまり、14万円で飲みに行ったのと同じことになる。

試験研究費の税額控除も使えない。
さらに、極めつけは税率も変わる。
800万円までは22%であった法人税が、すべて30%になる。
これで、自動的に毎年64万円の税金が増える。

地方税は、外形標準課税と均等割りの2つが変わる。
外形標準課税は、資本金1億円超の会社の付加価値にかかる税金。
簡単に言えば、サービス業が高く、製造業は低くなる。
ただ、資本金1億円超の会社にだけ追加でかかる税金なので、増税になる場合の方が多いはずだ。

均等割りは、会社が赤字でも支払うショバ代。
会社が解散しない限り、絶対にかかってくる税金。
1億円超の場合には、社員数でも変わるが、最高で53万円。
1千万円以下であれば、社員数でも変わるが、最低で7万円。
差は46万円だが、これは一時的ではなく、毎年とられるため、10年間合計で比べれば差額は460万円にもなる。

このように、資本金がまずは1億円を超えるときに、それによって増える税金を計算した方がよい。
シミュレーションすれば、簡単にわかる。
1億円超になってから、そんなはずではという税金になるぐらいなら、資本金は1億円で抑えるべきだろう。
1億円と1億円1千万円で、自己資本比率は、ほとんど変わらない。
それどころか、知識がある人から見れば、ムダなお金を使っていないことで好感を持たれるはずだ。

(監修 公認会計士 青木寿幸)

投稿又は更新日時:2007年06月28日 15:12


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